角谷郁恵
模様の生成
汀にて、寄せては返す波が描くパターン
波はその度に新たな模様を砂浜へ生成していく
それは自然の摂理に則り現れる
どれも一回切りのもの、現れては、自ら刷新していく
時にはエラー(他者)を受け取りながら
模様は絶えず生まれ続ける
自動生成されるパターン
それはごく小さな事象を描くピクセルであると同時に
世界を構築する広大なスケールにもなりうる
我々が建造物を建てやがて壊されるように
木々が枝葉を揺らし伸ばし、枯れ果てていくように
寄せては返す波のように捉える時間も規模も様々に
世界は今日もパターンを描く
模様は抽象でありながら、全てを内包した具象でもある
抽出された規則とリズムは世界を読み解くテクストになる
私は筆をとる/土を焼きガラスが融解していく/糸を染め裂を織る
そこに現れる一回きりの模様をとどめたい
それは現実世界を示す地図だから
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