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転がる石ころ日記 第8回


角谷郁恵




模様の生成




汀にて、寄せては返す波が描くパターン

波はその度に新たな模様を砂浜へ生成していく



それは自然の摂理に則り現れる

どれも一回切りのもの、現れては、自ら刷新していく



時にはエラー(他者)を受け取りながら

模様は絶えず生まれ続ける

自動生成されるパターン

それはごく小さな事象を描くピクセルであると同時に

世界を構築する広大なスケールにもなりうる

我々が建造物を建てやがて壊されるように

木々が枝葉を揺らし伸ばし、枯れ果てていくように

寄せては返す波のように捉える時間も規模も様々に

世界は今日もパターンを描く

模様は抽象でありながら、全てを内包した具象でもある

抽出された規則とリズムは世界を読み解くテクストになる

私は筆をとる/土を焼きガラスが融解していく/糸を染め裂を織る

そこに現れる一回きりの模様をとどめたい

それは現実世界を示す地図だから



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